生原稿で振り返るシリーズ、スタート!
最初のタイトルは、やはりサイトを開設し初めてアップした『Alone Wolf』から。

この作品は2002年、当時の創作サイト『spectrum stone(スペクトラム・ストーン)』で公開した小説で、その頃は現在ほどネットが普及しておらず(回線も「ダイヤルアップ」という接続方法で、常に電話をかけているような状態なので1ヶ月の通話代が万単位になったことも! 尚且つ同時に電話で通話することも不可、速度も光などとは比べ物にならないほどの激遅さで写真1枚すら表示に数秒〜数十秒かかるレベル……ADSLへ移行後は1Mbps以下のスピードでしたが常時接続となり通信料も定額に、そしてターミナルアダプタを使用することで漸く電話機併用が可能になりました)SNSなどもなかったので、読んでくれた人というのもチャットルームなどでよくお話させていただいていた方々や学校の同級生・先生など。自分のサイトの存在を伝えた、一部の限られた人たちのみでした。
そんな環境だったので、いまのようなニュアンスで「大勢の人に見てもらえた!」とはいえないかもしれませんが……それでもウェブ上に投稿をしたことで知った、あの“新たな世界が広がった”感や“リアルで会ったことのない、遠くにいる誰かが作品を楽しんでくれた”感は改めて思い返してみてもワクワクした体験であったのは確かです(その時にいただいた感想などが、いまでもサイト運営や創作を続けている原動力となっているような気がします!)。

その後、幾度かのサイト移転などを経て10年ほど前からは 「小説家になろう」にて連載中 の『Alone Wolf』。小説サイトの紹介文 でも書いている通り、実は現在アップされているものは“初投稿時に入れられなかったエピソードを追加し新たに書き始めたリメイク版”なのです!
こう書くと良く聞こえますが本当は「当時のHTMLデータがPCの故障(「Missing operating system」と出ていた真っ黒の画面は忘れられない!)により閲覧できなくなり、また新たに書かざるを得なくなった」というのが実情……前回の記事で「原稿用紙を使用せず全部画面上で打ち込んだエピソードもある」と書いていましたが、ソレがコレなのです(今回の場合はワープロというよりサイト制作ソフト。当時ページリニューアルなどの理由でサーバのファイルも削除していた上、フロッピーやCD-RWなどのバックアップも一切なかった)。
勿論、物語自体は憶えているので再度書こうと思えば書けるのですが。完結後に、いろいろ“視えた”場面が増えたこともあり……折角なので「それらのエピソードも追加し、また新しく書き直そう!」と思い、現在に至る次第です。
その記念すべき(?)リメイク版1枚目の原稿がコチラ!

何故か、この時は原稿用紙は使わず白紙に書いていますw。そして最後の行に書かれた「いつも」でプツッと途切れている辺り、ここでデジタルに執筆環境を変えたのかなーと想像(自分のことでも何年も経っている上、大体小説書きをしている時はトランス状態みたくなっていて記憶曖昧なケース多し!)。

尚、この場面には似ていますが内容が異なる原稿もありました。

アップしているバージョンにはない、主人公・京一郎の妹が3日前に誕生した……というシーン。後に彼は出会った雌に「俺には妹がいた」と打ち明けるのですが、それがココというわけですな!
多分、そっちで書くなら冒頭に入れなくていいかと判断したのかなと思います。

他にも、この辺の情報を整理しようといろいろメモっていたらしきページも。
我乍ら、結構ちゃんと試行錯誤しているじゃないと妙に感心してしまいましたw。この後ストーリーは 小説サイトの「資料」ページ で既に公開済みの2話目『父の教え』に続き、そして3話目(当初は、こっちが2話目だった??)の『大鹿』へと続きます!

こちらも2枚目の途中でデジタル側へ移ったのか、左半分がまったく使われず残っていますw。
自分でも見返して思い出しましたが、この時は全体に『京一郎の過去』という副題が付けられていたんですねー。まだ「『Alone Wolf』のリメイク」ではなく、文字通り「京一郎の過去を描いた短編」的な形を想定していたのかもしれません。

その『京一郎の過去』改め『第一章 京一郎・一歳』は起承転結の“結”である「巣立ちの時」へ……!

『Alone Wolf』関連の原稿では、初めて日付が明記されていました。
2012年の6月5日、もう干支が一回りするぐらい前なんですなー(ちなみに、この部分を“なろう”に載せたのは2015年の4月2日! 書き始めてから、まさか3年近くかかっていたとは……)。
つーか、京一郎が「自然のハーモニー」なんて言うわけがないw。

ちなみに、ここの話は後に書き直していたようで別の原稿もありました!(3〜4ページと書かれているので2枚目のようですが、1枚目は見つからず……)

こちらは小説投稿サイトにアップしたものと近いですねー。
以上が、いま現在紹介ができる『Alone Wolf』生原稿のすべてです!(他のタイトル含め、ブログで見ていただいた生原稿は後日小説サイトの方にも掲載予定)

こうして読み返してみると、この一章の十数枚分だけでも諸々「いろんなことがあったんだな」と懐かしくもあり「もっと精進しないとな」と改めて思いました。京一郎との付き合いは自分が創作を始めた本当初期の頃からなので毛皮のモフモフなどは勿論、体温・息遣いや心身の感覚まで伝わるぐらいにシンクロしている感じです。
京一郎の物語は、まだ序章が終わっただけ。今後も、彼のストーリーをどんどん書いてゆこうと思っておりますので是非楽しんでいただけたら幸いです!